愛を知った日
それから両親は面会時間ギリギリまで一緒にいてくれた。
「ママ、そろそろ」
「あっそうね。これ、必要そうなもの持ってきたから棚に入れておくわ。奏、くれぐれも無理はしないで。安静にね」
私は小さく頷く。
「おやすみ」
「おやすみなさい」
そう言って両親が頭を撫でてくれた。それだけで心が落ち着くような気がしてその日は心地よく眠れた。
それから数日後。私は徐々に回復し寝た状態から体を起こせるようになりごはんも口から食べられるようになった。それもあって数日後に手術が決まった。
「体力も回復してきたし手術しようと思います。いいかな?」
黙っている私を見て先生が
「いいかなって聞かれてもなにも言えないよね。ごめんね」
そこで一緒に話を聞いていたパパが
「先生どんな手術ですか?」
と質問した。
「今回は…」
先生は丁寧に手術の説明をしてくれた。かなり大きな手術でリスクがあることなどを聞いた。
「1度妻と相談してもいいですか?」
「もちろんです。もしなにか分からないことがありましたらお母さんの都合の良い日にもう一度ご説明もできます」
「ありがとうございます」
「奏ちゃんもいきなり怖い話してしまってごめんね。でもこれからも元気に過ごすために必要なことなんだ。ご両親ともよく話し合って決めて欲しい」
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