愛を知った日

鳳蝶視点

俺は月桃高校2年の北山鳳蝶。
俺が通っている月桃高校は通称ツモ高と呼ばれていてどこも行く所のない問題児達が集まると言われている。
だが実際に入ってみればたしかに他の高校よりもそういうやつが多いものの全員ではなく、むしろいい奴も多い。
俺は中学の頃から自分で言うのもなんだが目立つ存在で特に何もしていないのに周りには常に人がいた。
高校に入ってピアスをつけた。それも相まってよくケンカをふっかけられるし不良に見えてしまうらしい。
でも俺は喧嘩は嫌いだし近づいてくる女子も適当にあしらっていた。
しかしそれが逆に人を惹きつけてしまった。今まで以上に絡んでくる男子は多くなり、すり寄ってくる女子も多くなった。
ついにある時期からは人と話すのでさえ面倒くさくなって、あまり会話をしなくなった。それを機に何人かは離れて行ったものの現状はそんなに変わらなかった。
そのうち俺は勉強もだるくなって本当に信頼できる友達と街で遊ぶようになった。その友達の1人が伊月だ。
あの日も伊月と2人で街へ遊びに出ていた。他の友達とも合流し楽しく喋りながら歩いていた。
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