俺の痛みに金を払え
初バイト
じーちゃん:狂
新聞の仕事はな月二回
この部落の90件の家をまわり
15日と30日集金で
9000円じゃ
ちょうど今の3年が受験勉強の為
新しい学生を探してたらしく
狂はするかの?
しかし、あれじゃ
働くとなれば挨拶もしっかりして
愛想よく、ピアスもとって
帽子かぶりゃないけんぞ?

俺:そんなことわかっとるよ
俺その仕事したいわ!

じーちゃん:じゃあ新聞屋に挨拶しに行ってみるかの?

俺とじーちゃんは新聞屋に向かった

じーちゃん:すいません
南部ですが

新聞屋:はーい
あら南部さん

じーちゃん:電話で伝えた学生バイトの件でな
あれはウチの孫なんじゃよ

新聞屋:あら、運動会の団長

俺:こんちは

新聞屋は下級生の家だ

俺はピアスを外し
髪も結び色が見えないように
帽子の中に髪をいれていた。

新聞屋:南部さんとこのお孫さんなら
採用です

じーちゃん:ありがとうございます
お世話かけますがよろしくお願いします

俺:ありがとうございます
よろしくお願いします。

深々と頭を下げて
初出勤は15日だ
夕方4時から6時まで。
狭い集落の家を一軒ずつ回っていく
集金作業だった。

15日になり
15分前に新聞屋についた。

俺:こんにちは
今日からお願いします。
と頭をさげた

新聞屋:えらいね
今日は丸をつけてる家に行って
集金をして欲しいのよ
留守の家には
△印をつけてこのチラシをポストに入れてほしいのよ

俺:わかりました!

新聞屋:集金額は一軒6千円で
なるべくお釣りがでないようにもらってね
一応、お釣りように千円札20枚
集金バックの中いれてるからね
気をつけて焦らずでいいからね

俺:わかりました!

俺はチャリにのり
集金作業を始めた

ピンポーン

はーい

俺:新聞の集金にきました
6千円になりまーす。

家の人:あら団長
えらいわね
はい、6千円丁度
あ、ちょい待ち
これ飲みながら頑張ってね

俺はヤクルトを2本もらい
次の集金へと向かった。

案の定留守の家はなく
全部集金できた。
自転車のカゴの中には
お菓子と飲み物でいっぱいになってた。

村民全員が運動会を見ており
俺の事を団長と呼んで
沢山いただき物をもらった。

事務所に帰ると

新聞屋:狂くん
早かったね
お疲れ様
どーだった?

俺:はい!楽しかったです
それに沢山いただき物ももらえました

新聞屋:あら凄い人気ね
以前の学生さんは貰い物とかしなかったのに
運動会で頑張ってたから
みんなファンになったのかな?
おばちゃんも狂くんのファンになりそ

俺は愛想笑いをした

新聞屋:集金額もピッタリだし
全件回収できたのね
はなまる!
これ持ってかえりんさい

新聞屋は同時に商店も経営していて
大量のお菓子をもらった

俺:わぁ
こんな頂いていいのですか?
ありがとうございます。

新聞屋:いいのよ
今日はありがとうね
お疲れ様
次は30日よろしくね

俺:はい。お疲れ様です
失礼します。

俺はチャリにのりじーちゃん家へ戻った。

野球部の盾社会で学んだ
大きな挨拶や敬語はここで生かされた。
日頃からじーちゃんに常識を教えてもらい
俺はじーちゃんの名を汚さぬように
礼儀正しくしていたのだ。

じーちゃん:おかえり
どーやったか?

俺:楽しかった
それにこんな沢山いただき物をもらえたよ
新聞屋のおばちゃんにもお礼の電話しておいて

じーちゃん:ほうかほうか
わかったよ

じーちゃんの顔は嬉しそうだった。
俺はその日
大量のお菓子を持ってとしの家へ向かった。

とし:万引きでもしたん?

俺:あほか!バイトよバイト

とし:なんのバイトよ?

俺:新聞屋の集金よ

とし:あーあれか
俺も部活なければしたかったのに

俺:まぁでもあんま金ならんし
月二回しか働けんけな

とし:え?
そーなんや
まぁでもお金あるだけいいよ

としの家で俺たちは
お菓子を食い散らかした

とし:そーいえばさ
2年の直子ちゃんてわかる?

俺:あー眼鏡のこやろ?

とし:そうそう
あゆみちゃんといつも一緒の直子ちゃんが
お前と話してみたいんだって
今度3人で放課後遊ぶ?
水曜日は部活休みだから
水曜日あそぼうか

俺:なんか恥ずかしいな
まぁでもとしおるならいいよ

とし:ok決まり

とし:今日泊まっていく?

俺:いや今日帰るわ

とし:気をつけてな

俺は自宅に戻りながら
直子ちゃんの顔を思い出した。
どちからといえば
あゆみちゃんのほうがタイプである。

まぁ、あそぶだけだし
軽い気持ちでいた。

家に着くと
姉がいた。
珍しく機嫌がいい

俺はいただき物のお菓子を姉にもあげた

姉:おかえり
そう言えばあさこって子から電話きてたよ

俺:なんていいよった?

姉:狂くんいますか?って言われて
いません言ったら切られたよ

俺:そうな
あ、おかしもらったからたべり

姉:ありがとう

俺はあさこの家に電話をしたが
この日も通じなかった

俺は風呂に入り
風呂からでると

姉:あそうそう
このバンドが黒夢ってゆうんよ

俺は音楽を聴いた

黒夢のジャケット写真の清春に衝撃を受けた

なんてかっこいいのだろうと
思い
男はやっぱロン毛やなと
密かに俺は心に誓った。

カマキリをきき
これまた衝撃がはしった
v系よりのpunkに近い音だった。

姉:どう?気に入った

俺:うんかっこいいわ

お互いタバコに火をつけ
黒夢をきいた。

俺は集金の疲れもあり
早く寝たのだ。

夜中になると姉もいなくなっていた。

俺は昼前に目が覚めて学校へといった。
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