俺の痛みに金を払え

初めての給料

俺の２回目の集金が始まった。

新聞屋:今日はこの集落を
お願いね

俺:わかりました

新聞屋:今日も気をつけていっておいで

俺:はーい

今日は家が離れてる集落だった
時間もかかり
俺は集金をこなした。

今日も俺の自転車のカゴは
お菓子でいっぱいだ
集金を終えて
俺は事務所に戻った。

新聞屋:お疲れ様
今日の集落は大変だったでしょ？

俺:いい冒険になりました

新聞屋:今日もカゴはいっぱいね
人気者の証ね
今日はおばちゃんからわ
アイスをあげる
早くお食べ

ハーゲンダッツだった

久しぶりに高いアイスを食べ

俺:ご馳走様でした。
美味しかったです。

新聞屋:今日はまだいいものがあるよ
ジャーン

給料だった

新聞屋:お客さんから電話があり
おばちゃんも誇らしかったわよ

俺:なんの話ですか？

新聞屋:ほら、集金の合間で
柴田さんとこのおばあちゃんの家で
重たい荷物を一緒に運んであげたんでしょ？
柴田さん物凄く喜んで電話くれたのよ。

俺:あ〜別に対した事してないですよ。

新聞屋:ほんとは、9千円の約束だったけど
おばちゃんの気持ち入れておいたわ！

俺:え？
いいんですか？
ありがとうございます。

新聞屋:落としたらいけないから家に帰って封筒あけなさい。
そして、今日はまだいい物があるの！
パンを沢山買ってきたから
一緒に持って帰って。
今日もご苦労様。

俺:いつもありがとうございます。
助かります。
お疲れ様でした。

俺はパンと人生初めての給料を持ち帰り
家に着いて封筒を確認した。
中には1万5千円が入っていた。
自分で働いて稼いだお金。

俺は誇らしかった。
9千円は給食費。
残り6千円。

俺は自分の欲しい物より
一番に頭に浮かんだのが祖父母に何かプレゼントをしたかった。

今度街まで出た時に何か買いに行こうと思い貰ったパンを食べながら、としに電話した。

とし:はい

俺:あ、狂

とし:どした？

俺:次の日曜部活あるん？

とし:いや、その日は休みよ

俺:じゃあ街いかん？
ちょっと買い物付き合って

とし:いいね
とりあえず今から家くる？

俺:あ、明日学校行くけん学校で会おうや

とし:ok!!
じゃあしたな！

電話をきり給食費の封筒に9千円をいれ
その日姉は帰って来ず
残ったパンと貰ったお菓子を姉の部屋の机に置き
腹減ったら食ってなとメモを残して
朝早く俺は学校へいった。