春の女神は夜明けに咲う(わらう)

あとがき

 最後までご覧いただき誠にありがとうございます。しっとりとこの物語に浸っていただけたのなら、とても嬉しく思います。

 胸が大きい人って、よく「性的な象徴」として描かれることが多い印象で、それに対して「その人たちにもそれなりの苦悩があるのにな…」と妙な違和感をずっと抱いていました。
 そして、私にとっては性的というより「癒しの象徴」として写っていたので、それが二人それぞれの心情にも強く投影されていると思います。

 どちらかというと、私が感情移入していたのは彼よりも彼女のほうで、四章前篇で別れが辛いことをなんとか伝えるシーンは、本人は言い淀んでいますが私の筆は一切止まらず乗りまくっていた気がします。

 今読み返すと、正直テンポを崩すくらいに言葉を詰まらせているのですが、「いやこれくらい詰まっちゃうでしょう!」とそこに関しては加筆修正はしていません。正直、その後に彼が抱きしめてくれるところも含め、一番気に入っているシーンでもあります。

 結局のところ、私自身の男性的な部分と女性的な部分がそれぞれのキャラクターに投影されているとでもいうのでしょうか。彼が理性を抑え込むシーンなんかは「男女関係なく本能ってそんなものだよな」と思いながら割と想像で描いていたと思います。

 最終的に「あなたの存在そのものが癒しの象徴なんです」と言わんばかりに抱きしめてくれる彼は、彼女にとって本当にヒーローだと思います。ちょっと出来すぎかもしれませんが、これくらいのほうがきっと、ちょうどいいですよね…?



 改めて、二人の物語を最後までご覧いただき本当にありがとうございました。この後、二人がどうなるかは皆さんの想像にお任せします。

 実は作者の私自身、なんとなく「こうなるんじゃないかな」と想像はしています。しかし、それは作者の「答え」ではなくあくまで「想像」にすぎません。その想像を続きとして描くこともきっと出来るのだと思いますが、私にとってそれは、はっきりいって「蛇足」になってしまいます。
 
 この物語を読んでくださった方それぞれが思い描くその後が、全て正解なのだと思います。
 彼らのどちらか、もしくは両方に共感してくださった方。なんとなくでも二人の未来を思い描いてくださることが、作者としてこの上なくありがたく、喜ばしいことです。 
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