Mr.Phantom
霧がどこからか流れ込んでくる。その霧は怪盗ファントムを包み込んでいった。アメは逃がすものかと地面を蹴る。

「待て!!怪盗ファントム!!」

「また犯行予告状を送らせていただきます」

その声と共に怪盗ファントムは姿を消した。アメは拳を握り締める。そして、顔を真っ赤にしているヨルに言った。

「君は俺の助手だろう!フラフラして誘拐されるなんて恥ずかしいと思え!」

「ええ〜。ちょっとは心配してくださいよ!それに怪盗ファントム様なら大歓迎ですよ〜!」

胸元に手を当てて喜ぶヨルの頰をアメはつねる。胸がドキドキとうるさいくらい動いている。その感情の名前も知らないまま、アメは心の中で呟いた。

(ヨルの隣にいるべきなのは俺だから)






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