Mr.Phantom
「やけに落ち着きがないな。ガチョウが金の卵でも産んだのか?」

そんな冗談をアメは言ってみたものの、刑事はますます慌てるだけだった。

『そんなこと言ってる場合じゃないんだ!怪盗ファントムから予告状が届いたんだよ!』

「は?」

「それ、本当ですか!?」

アメは一瞬で嫌悪感を示し、会話が聞こえていたヨルは目を輝かせる。

アメとヨルは、三日後怪盗ファントムの犯行を阻止するためにとある屋敷に行くことが決定した。



三日後。憂鬱なアメとは真反対に、ヨルは目を輝かせながら屋敷を見上げていた。

「大きいお屋敷ですね!」

「そりゃあ、金持ちが住んでるからな」

今回、犯行予告状が届いたのは大手銀行をいくつも経営しているモンマス家だ。モンマス家は先祖代々伝わるダイヤモンドが存在する。それを狙っての犯行予告状だろう。

「アメさん!私のこの格好、変じゃないですかね?」

ヨルが唐突に訊ねた。彼女は今、エッグイエローのシャツワンピースに明るいデニムパンツを履いている。いつも調査に行く時よりも華やかな格好だ。
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