Mr.Phantom
モンマス公が震える手でアメに一枚の封筒を差し出す。アメとヨルは一緒にその封筒を覗き込んだ。


『今夜零時、美しいダイヤモンドを頂きに参ります』


封筒には怪盗ファントムのサインがされていた。間違いなく本物であるとわかり、アメは犯行予告状を握り潰したい衝動に駆られる。隣ではヨルが目を輝かせていた。

「本物の怪盗ファントム様に会えるんだ!やった!」

「宝石が盗まれるかもしれないんだ。はしゃぐな!」

興奮した様子のヨルの頭をアメが小突く。そしてワンピースの襟を掴んで無理やり歩かせた。

「アメさん!ワンピース伸びちゃうから!」

「引きずられたくなければはしゃぐな!君は俺の助手だろう」

そのまま二人はダイヤモンドがある部屋へと向かう。部屋の前には制服姿の警察官が二人見張りをしていた。部屋の中にも三人の警察官、そして見知った刑事の姿がある。

「ああ、アメさん!来てくれたんですね!」

「まあ……。それが例の宝石か?」
< 7 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop