爆弾魔(♀)はご主人様に溺愛されています
被検体444の新たな人生
「被検体444、仕事に戻れ」
「はい」
週に一度の診断を受けた私・被検体444は一礼して、すぐに仕事をする棟に戻った。
ここはグラナザルという帝国の核兵器製造施設。
そこで、職員によって命を成した私は、被検体としてここで働いていた。
「444、お前はここだ。今日のノルマが終わったら下がれ」
「はい」
施設長にそう言われ、私はまた自分の席に戻った。
私は幼いころから、まわりの大人たちによって洗脳され、手榴弾を作り続けてきた。
しかし、ある日、隣国・ヴぁルディア王国に追われた魔導師が来た。
彼は、世界を滅ぼす威力を持つ核の、製造技術の唯一の持ち主だった。
そしてなんと、彼は私の頭に、その技術を魔術で挿入してきたのだ。
その反動で、私の脳は反動を起こした。
洗脳されていた状態から我に返り、人形のように典型的に動くことが出来なくなったのだ。
しかし、技術を脳へ受け継いだ私を、施設は失いたくない。
だから、誰よりも仕事は少なく、食事と睡眠は多く、健康診断は頻繁に行われるようになった。
地位は他の被検体たちと同じだが、重要度は誰よりも高かった。
「・・・8,9,・・・よし、30な。今日はもういいぞ」
出来た手榴弾を施設長に持っていき、数を確認してもらって、仕事棟を出る。
そのまま食堂に行き、自分の食べ物を受けとった。
手のひらと同じくらいの大きさのパン、栄養だけを重視した野菜スープ。
常にタンパク質は足りていないが、生かされている。
お盆を持って狭い自室に行き、無心でパンを食む。
ちょっぴり硬いそれは、お腹を満たすにはちょうどいい。
スープに付けて少しふやけさせ、また食べ進める。
「・・・んぐ、っふ」
パンの固い部分がのどに詰まり、思わず咳き込む。
「ごほ、っはー・・・」
なんとか飲み込み、空の皿を乗せたお盆を、部屋に流れるレールへ乗せた。
変なところで進化しているこの施設の部屋には、食堂につながるレールが張ってあり、そこにお盆を乗せるのだ。
もともとは、必要以上に外に出させないようにするためだったが、今は普通に楽をするためらしい。
「っあ、・・・はぁ」
私は不意に、朝から離れなかったものを思いだす。
今日は、3人死んだのか・・・。
施設は、私を不老不死にしようとしている。
その薬の実験台となった可哀想な被検体の数を、毎朝伝えられるのだ。
どんな嫌がらせだ、と思うが、毎朝自分の影響力を思い知らされるのだ。
「はい」
週に一度の診断を受けた私・被検体444は一礼して、すぐに仕事をする棟に戻った。
ここはグラナザルという帝国の核兵器製造施設。
そこで、職員によって命を成した私は、被検体としてここで働いていた。
「444、お前はここだ。今日のノルマが終わったら下がれ」
「はい」
施設長にそう言われ、私はまた自分の席に戻った。
私は幼いころから、まわりの大人たちによって洗脳され、手榴弾を作り続けてきた。
しかし、ある日、隣国・ヴぁルディア王国に追われた魔導師が来た。
彼は、世界を滅ぼす威力を持つ核の、製造技術の唯一の持ち主だった。
そしてなんと、彼は私の頭に、その技術を魔術で挿入してきたのだ。
その反動で、私の脳は反動を起こした。
洗脳されていた状態から我に返り、人形のように典型的に動くことが出来なくなったのだ。
しかし、技術を脳へ受け継いだ私を、施設は失いたくない。
だから、誰よりも仕事は少なく、食事と睡眠は多く、健康診断は頻繁に行われるようになった。
地位は他の被検体たちと同じだが、重要度は誰よりも高かった。
「・・・8,9,・・・よし、30な。今日はもういいぞ」
出来た手榴弾を施設長に持っていき、数を確認してもらって、仕事棟を出る。
そのまま食堂に行き、自分の食べ物を受けとった。
手のひらと同じくらいの大きさのパン、栄養だけを重視した野菜スープ。
常にタンパク質は足りていないが、生かされている。
お盆を持って狭い自室に行き、無心でパンを食む。
ちょっぴり硬いそれは、お腹を満たすにはちょうどいい。
スープに付けて少しふやけさせ、また食べ進める。
「・・・んぐ、っふ」
パンの固い部分がのどに詰まり、思わず咳き込む。
「ごほ、っはー・・・」
なんとか飲み込み、空の皿を乗せたお盆を、部屋に流れるレールへ乗せた。
変なところで進化しているこの施設の部屋には、食堂につながるレールが張ってあり、そこにお盆を乗せるのだ。
もともとは、必要以上に外に出させないようにするためだったが、今は普通に楽をするためらしい。
「っあ、・・・はぁ」
私は不意に、朝から離れなかったものを思いだす。
今日は、3人死んだのか・・・。
施設は、私を不老不死にしようとしている。
その薬の実験台となった可哀想な被検体の数を、毎朝伝えられるのだ。
どんな嫌がらせだ、と思うが、毎朝自分の影響力を思い知らされるのだ。