姫と騎士のめぐりあい

恥ずかしがり屋のお姫様

(ど、どうしよう・・・)
今日も今日とて、
エリザベートは固まってしまった。

母である王妃が主催するお茶会に出席したは良いものの、
上手く話すことができない。
身分が下位の者から高位の者へ話しかけることは
不敬にあたるとされているので、
エリザベートに話しかけてくる令嬢はいない。
けれど、皆がエリザベートと話したいと思っている。
つまり、
エリザベートから声をかけられるのを待っているのだ。
でもエリザベートから話しかけることはない。
それはエリザベートの性格が悪いからではなく、
極度の恥ずかしがり屋だからだ。
家族や幼い頃から知っている者以外と話そうとすると
まごついて話せないのだ。

今日もそんな娘を見兼ねた王妃が
自然と会話に入れるように
エリザベートに話を振ってあげた。
それは母の優しさでもあったのだが、
いつものように裏目に出る。
突然皆の視線が自分に向けられ、
エリザベートは固まってしまう。
言葉が全く出てこない。

そんな娘の姿に小さくため息をついて、
ジゼル王妃は何事もなかったかのように
会話を繋いだ。
それ以降、
エリザベートはただただお茶とお菓子を堪能して
お茶会を終えたのだった。
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