ガーネット

気分

今日はいつもより30分早く学校に着いた。
急いで鏡へ向かう。

「あちゃ〜やっぱり、まつ毛下がってる‥
今日も風強かったからなぁ〜、今日ぐらい車で来るべきだったかも。」

ポーチを漁る。
ビューラー、ビューラー‥‥‥っと
あった!

まつ毛をクイっとあげたらまた元通り!

「ってもうこんな時間!?HR始まっちゃう」

急いでポーチにしまう。

HR後

「おっはよぉ〜カエデちゃーん!」
「おはよう、アカリ。遅刻だよ。今日も‥‥すごいね‥。」

髪はボサボサ。前髪も色んな方向に向いてるし、ノーメイク。
時間ギリギリで来るから額にうっすら汗が流れてる。

先生には相応しくないね。それ。

「あれ!?カエデ今日、カラコンじゃん!!ナチュラル盛れのやつでしょ?多分先生にはバレないと思うけど、私にはお見通しだよ〜!なんで今日、カラコンしてんの?」

「ん?あー、えぇーっとねぇ。気分かな?」

昨日全然眠れなかったけど、今日もすぐ起きちゃったし、アカリにも会えて最高。

「ふぅ〜ん。なんか、テンション高くね?」

「えへへ。そうかな?まぁ昨日良いことあったからさ。」

「え〜!何それ!?気になるじゃん!!教えて教えて〜??」

「え〜秘密!」

言えないよ〜そんなの。
みんなにバレて先生が居なくなったら困るもん。
あー。早く先生に会いたい。

廊下

今日はずっとキョロキョロしてる。
先生に会いたい。先生にあって可愛いって言われたい。



視線が合う。長い廊下で、先生が歩いてる。
私は職員室の前にいる。
先生はきっと職員室に行くんだ。

私は駆け寄った。

「先生〜!こんにちは〜。ねぇ見て?どうかな?」

ドキドキしながら先生を見つめる。

「こんにちは。‥‥どう?っていつも通り??じゃないの?」

「え?‥‥そうじゃなくて!彼氏としての意見聞いてるの!!」

「彼氏??先生が?急にどうした?笑、疲れてんの?」

え、嘘でしょ???なんで????

「え、だって‥先生、昨日‥」

愛してるよ。って言ってたじゃん!!!
‥‥‥なんて言えるわけない。
証拠は録音アプリにあるけど、そんなの自滅しに行ってるようなもん。
でも確かに先生は昨日‥‥‥

「昨日?なんかあったっけ?
部活で先生変なこと言った?」

「ううん。やっぱりなんでも無いです。変な夢見ちゃったっぽいです。迷惑かけました。」

逃げるように教室に戻った。

先生どうして?
昨日のあれはなんだったの??
まさか、本当に夢だったの???
いや、そんな筈ない。
ちゃんとこのスマホに全部残してあるから。
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