ガーネット

期待

今日は朝からずっとざわついている。

「田中、一週間自粛だって〜」
「やば笑笑生徒に手出したのマジだったん?」
「1時間目から化学じゃん。先生、誰来るんかな?」
「永ちゃんがいいなぁ〜」
「俺は三崎先生がいい!」
「三崎先生は英語担当でしょっ笑」

ガラッ
ドアが開く。

「はーい。静かにしてください。HR始めますよ。」

「先生!!田中ってどうなったんすか??」

「田中、先生、です。今体調を崩されて休んでいますよ。」

「うわ〜!マジかよ、嘘じゃん笑笑」

口々にやば〜とかまじだったんだ笑とか聞こえてくる。
今日はいつもよりずっと騒がしいHRだった。

1時間目

「ねぇねぇ先生誰くるかな?」

「誰ってまぁ理科の先生が来るんじゃない?」

「そりゃそうなんだけどさ、カエデ、悠介来るの期待してんじゃないの???」

「まぁ来たら嬉しいかな。」

授業が始まるチャイムが鳴った。
けど、
先生は来ない。

みんな雑談を始める。

五分経った頃ようやく戸が開いた。

みんなが一斉に雑談をやめ戸の方を見る。

「2-3ってここだよね?遅れちゃってごめんー!」
「俺、このクラス持ってないから初めましての人も多いよね!永井です!下の名前は涼太ね!気軽に永ちゃんって呼んでね〜。今日は田中先生の代わりで来たけどこのプリントやってって渡されたから配るわ〜。自習ってことで!!」

心のどこかで期待した。いや、心の何処かじゃなくて全力で期待してた。
でも、永井先生‥‥確かまだ教員3年目とかの。
イケメンだし爽やかだし人気の先生だったっけ。

後ろからアカリのドンマイが聞こえる。

トホホ‥‥‥
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