音のない世界で私の耳になってくれた君は
はじまり
念の為3日入院した。
学校側にきちんと謝罪もしてもらい、補聴器も買い直した。
私は壮良にお礼を言ったけど、
『別に大したことねーし』
と言われた。
ありがとうと心の底から改めて思った。
退院して1週間くらいが経った頃
『蛍、これ壮良君家に届けてきて!』
とお母さんに言われ、お惣菜を持って行った。
インターホンを押す。
『どした』
そう手話で伝えながらドアを開ける壮良
『これ持って行ってって言われた』
『お惣菜?ありがと』
このお惣菜壮良好きだもんね
『あのさ』
帰ろうとした時に呼び止められた。