音のない世界で私の耳になってくれた君は






『なぁに?』





どうしたんだろ?



『俺』


改まってどうした?







『蛍のことが好きだ!好きだった!ずっと今も!だから……………





付き合って下さいっ…!』






へ?



急に?






なんで?



私?





『冗談はやめてよね〜』


そうだ。


あの壮良に限ってそんなこと…






でも…




本当であってほしいと思う自分がいるのはなぜだろう?






私も…



好き…なのかな…?




『冗談のわけない!好きなんだ!優しいとこも頼まれたら断れないとこも、髪も目も口も全部…っ!』




え?じゃあ


…まじってこと?




『俺じゃ…ダメ?』



そんなことない


そんなことないっ





『…私も好きだよ?でも…『じゃあ!』




『でも…私耳が聞こえないし、大変だと思うし、私なんかと付き合ったらきっと…壮良の株が落ちるよっ…?』





違う


私が言いたいのはこの言葉じゃないっ…




『なんで…お前が俺の株なんか気にすんだよ!そんなことずっと思ってたのか!?』



『違っ…』



『もういい…勇気出して損した』




そう言って乱暴にドアを閉められた。








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