音のない世界で私の耳になってくれた君は





マンションのエレベーターに乗ると急に4階で止まった。


4階…




『おはよう、蛍』

そうやって手話で挨拶してきたのは幼馴染の 栗花落 壮良(つゆり そら)だった。




『一緒に行こう』



『うん』



壮良とは小さい頃から一緒で壮良も成り行きで手話を覚えた。



きっと将来手話に関係する仕事に就けるだろう。





私は手話を使わなくても口の動きで大体何を言っているのかはわかる。






私と壮良はおんなじ大学。



ちょっと口が悪くてむっつりさんだけどある程度仲良くなればすぐに心を開いてくれる優しい子だ。
















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