ほしうらない
よく見たら、この人サンダルだ。
私は人に足を踏まれるのが怖くてスニーカーで来たのに。
「駅近くの洋食屋に予約取った」
「え、仕事早いですね」
「仕事じゃない、遊び」
それからまたしても有明さんは眠る体勢に入った。
私は諦めて、正武さんにメッセージを送った。何かをしていないと、心の中にある大きな暗いものに押し潰されてしまいそうで、怖かった。
『有明さんが寝てしまいました』
『有明さんって寝るんですね』
正武さんの言葉に「たしかに」と呟く。
どんなに怠そうにしていても、飲み会でさえ寝ているところは見たことがない。