ほしうらない
一通り揚げ終えて、盛り付ける。
正武さんは場所提供、有明さんは食材調達、私は調理担当。
なんとなく決まった流れで動き、正武さんはれんこんの天ぷらを一つまみして一緒に居間へ戻る。
座っていた有明さんが缶ビールを開けて、グラスへ注いでいく。ちなみに、有明さんは正武さんと同期で、この人も色々経験を経て支社へ異動してきた。
「うまそう。天才か」
「美味しい、天才だ」
「この人もう食ってるよ」
「家主の特権です」
「特権乱用だな。籾野シェフ、お疲れ様」
有明さんも言いながら食べている。
扇風機が首を振っているところへ近づき、一息ついた。