ほしうらない
グラスを渡され、お礼を返す。
「じゃー、かんぱーい」
三つのグラスはテーブルの真ん中でぶつかり、良い音を立てた。
茹でた蕎麦と、天ぷらとビールをお腹に納めたところで後片付けが始まる。
「有明さんはお盆、帰省するの?」
「今年は帰るかな。去年帰ってないし」
「なんか家族のイメージつかないかも」
「天涯孤独そうってこと?」
「そうじゃなくて、一人っ子っぽいって話」
正武さんと有明さんの会話を背中で聞く。
私は皿を流しに置いた。
「籾野さんは長女っぽい」
振り向くと、正武さんと目が合う。