推し活スポンサー公爵との期限付き婚約生活〜溺愛されてるようですが、すれ違っていて気付きません〜
ミシュリーヌは婚約者兼推し活スポンサーのオレリアンを思い浮かべた。
オレリアンの権力はセル侯爵に効果があるのではないだろうか。
ふとそう思ったのだ。


「ジョゼフ、レダー侯爵に頼んでみればいいんじゃないかしら」

「レダー侯爵に……!? 婚約したばかりなのにそんなことを頼める関係なの?」

「それはもちろん、えっと……あのー……」


オレリアンとの約束は口外してはならないだろう。


「だ、だって婚約者でしょう……?」


ジョゼフは疑うような視線をこちらに向けている。


「レダー公爵はミシュリーヌに好意を向けているようには思えない……何かあるんだね?」

「…………」


ジョゼフは何か事情があるのだと理解してくれたのだろう。
鋭いジョゼフの指摘に戸惑いつつも、ミシュリーヌはヘラリと笑って誤魔化していた。

けれどさすがは幼馴染。何らかの事情があるのだと察してくれたのだろう。


「はぁ……わかったよ。この糸に変わるものを探しつついい報告を待っているよ」

「大丈夫よ。それに……っ」


再び一年の婚約だからと言おうとしてしまい、口をつむぐ。


「ミシュリーヌ、あまり無理はしないでね。何かあったら僕が力になるから」

「あ、ありがとう! ジョゼフ、頼りにしているわ」


ミシュリーヌがタオルを広げていた時だった。


「ミシュリーヌのためならなんだって……」

「……え?」

「何でもないよ」
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