そばにいて
一緒に回る人
「お疲れ様ー‼︎みんな、よーく頑張った。私、嬉しいよぉ。だから、明日の爽陽祭は絶っ対に盛り上げよーね‼︎」
「白々しいなぁ、鈴々が1番頑張ってたじゃん!」
「だよな!白瀬さんが俺たちをまとめてくれたおかげで無事、出し物が完成したんだぞー!」
「えへへぇ。みんなありがとぉ。」
私、白瀬 鈴々が通う西縁高校の文化祭である爽陽祭が明日ある。
そのために、私達1-Cは準備を頑張ってきた。
出し物は執事・メイド喫茶!
接客係と料理係に分かれている。
ちなみに、私は接客係ね。
「菫ー!蒼馬ー!」
「きゃっ!」
「うわっ!」
幼馴染である、野咲 菫と桐矢 蒼馬の背中に抱きつく。
2人は案の定、過剰に驚いてくれる。
「いやー、2人ともいい反応だねぇ。いよいよ、明日だね。頑張るぞー‼︎」
「ふふ、鈴々ちゃんはいつも元気だね。うん!私も頑張るぞー!」
菫はふわふわしていて、いつも優しい。
私の大親友。
「おう!明日のために頑張ってきたんだから、最後まで頑張るぞ!」
蒼馬は明るく、みんなを笑顔にする。
そして、私の好きな人。
でも、2人の様子から菫も蒼馬のことが好きで、蒼馬も菫のことが好き。
あぁ、三角関係。
だけど、私は菫の大親友でもあるから、2人が付き合うってことになったら、全力で応援するの!
少し3人で話していると、唐突に蒼馬が、
「なぁ、菫。ちょっと、この後、時間いいか?」
と言った。
「え、あ、うん。」
菫は少し戸惑った様子で答える。
あー、ヤバい気がする。
私の本能がこれはまずい、と叫んでいる。
「えっとぉ、じゃあ、私は先に帰っておくね。」
「うん。分かったよ。また、明日ね!鈴々ちゃん!」
「おう、また明日な!鈴々!」
先に帰るなんて言ったけど…やっぱり気になる。
盗み聞きはいけないこと、って分かってはいるけど、ごめんなさい神様!許してください!
そして、気がついたら私達以外、人がいなくなっていたクラスを出て、教室から見えないように、ドアに耳をつけ、2人の話を聞く。
「蒼馬くん。話って何…?」
少し震えた声で菫が蒼馬に聞く。
あぁ、これってもう告白の展開じゃん…
覚悟はしてたし、応援の気持ちもあるけど、やっぱりつらい。
少しの間の後、
「あのさ、菫。明日、俺と2人で回らない?」
と、蒼馬が言った。
「えっ。」
私は驚きのあまり、小さく声を出してしまった。
私達3人は中学3年間ずっと、文化祭を一緒に回っていた。
だから、約束をしなくても今年だって一緒に回るんだと当たり前のように思っていた。
でも、それは私の勘違いなの…?
「えっ。いいよ。でも、鈴々ちゃんは?」
「あーっと。あいつは友達多いからきっと一緒に回る約束してるやつがいるだろう。とにかく、決定な。時間とかは後で連絡するな。」
「う、うん。了解!」
そんな約束している友達はいない。
だって3人で回ると思ってたから。
なのに…
「あーあ…」
廊下の壁に背中をつけ、体育座りをして、足に顔をうずめる。
そろそろ2人は付き合うのかな。
文化祭の最後に告白するのかな。
『菫がいなければよかったのに』
邪な感情が頭をよぎる。
いけない、いけない。
私は菫の大親友だから、応援するって決めたでしょ。
だめだよ、そんなこと思っちゃ…
よし、そろそろ帰ろう。
そう思って顔を上げると、成宮 久遠先輩と目が合った。
久遠先輩は蒼馬と同じサッカー部で、蒼馬の応援や練習を見にいった時に仲良くなった。
久遠先輩はしゃがみ、私の顔を覗き込んでいる。
そして、にっこりと笑って、
「やっと気付いたね、鈴々ちゃん。そんなところでうずくまって、どうしたのー?」
と、言う。
「あ、いや、そのぉ。」
私が言い渋っていると、
「ふむふむ、盗み聞きをしていたんだね。鈴々ちゃんはいけない子だったのかな?蒼馬に言っちゃおうかなぁ。」
と、久遠先輩がからかってきた。
「な、何で分かったんですか!」
「ふっふーん。この久遠先輩が知らないことはないんだよ。それより、いいの?そろそろ2人出てきそうだよ。」
「え!ヤバい…流石に盗み聞きしてたことバレるのは…。ど、どうしよう。」
私が焦っていると、久遠先輩はいきなり私の手首を掴み、
「じゃあ、あっちの空き教室に行こっかー。」
と、言いながら私を連れていく。
「わ、分かりました。ありがとうございます。」
久遠先輩の優しさを感じた。
「白々しいなぁ、鈴々が1番頑張ってたじゃん!」
「だよな!白瀬さんが俺たちをまとめてくれたおかげで無事、出し物が完成したんだぞー!」
「えへへぇ。みんなありがとぉ。」
私、白瀬 鈴々が通う西縁高校の文化祭である爽陽祭が明日ある。
そのために、私達1-Cは準備を頑張ってきた。
出し物は執事・メイド喫茶!
接客係と料理係に分かれている。
ちなみに、私は接客係ね。
「菫ー!蒼馬ー!」
「きゃっ!」
「うわっ!」
幼馴染である、野咲 菫と桐矢 蒼馬の背中に抱きつく。
2人は案の定、過剰に驚いてくれる。
「いやー、2人ともいい反応だねぇ。いよいよ、明日だね。頑張るぞー‼︎」
「ふふ、鈴々ちゃんはいつも元気だね。うん!私も頑張るぞー!」
菫はふわふわしていて、いつも優しい。
私の大親友。
「おう!明日のために頑張ってきたんだから、最後まで頑張るぞ!」
蒼馬は明るく、みんなを笑顔にする。
そして、私の好きな人。
でも、2人の様子から菫も蒼馬のことが好きで、蒼馬も菫のことが好き。
あぁ、三角関係。
だけど、私は菫の大親友でもあるから、2人が付き合うってことになったら、全力で応援するの!
少し3人で話していると、唐突に蒼馬が、
「なぁ、菫。ちょっと、この後、時間いいか?」
と言った。
「え、あ、うん。」
菫は少し戸惑った様子で答える。
あー、ヤバい気がする。
私の本能がこれはまずい、と叫んでいる。
「えっとぉ、じゃあ、私は先に帰っておくね。」
「うん。分かったよ。また、明日ね!鈴々ちゃん!」
「おう、また明日な!鈴々!」
先に帰るなんて言ったけど…やっぱり気になる。
盗み聞きはいけないこと、って分かってはいるけど、ごめんなさい神様!許してください!
そして、気がついたら私達以外、人がいなくなっていたクラスを出て、教室から見えないように、ドアに耳をつけ、2人の話を聞く。
「蒼馬くん。話って何…?」
少し震えた声で菫が蒼馬に聞く。
あぁ、これってもう告白の展開じゃん…
覚悟はしてたし、応援の気持ちもあるけど、やっぱりつらい。
少しの間の後、
「あのさ、菫。明日、俺と2人で回らない?」
と、蒼馬が言った。
「えっ。」
私は驚きのあまり、小さく声を出してしまった。
私達3人は中学3年間ずっと、文化祭を一緒に回っていた。
だから、約束をしなくても今年だって一緒に回るんだと当たり前のように思っていた。
でも、それは私の勘違いなの…?
「えっ。いいよ。でも、鈴々ちゃんは?」
「あーっと。あいつは友達多いからきっと一緒に回る約束してるやつがいるだろう。とにかく、決定な。時間とかは後で連絡するな。」
「う、うん。了解!」
そんな約束している友達はいない。
だって3人で回ると思ってたから。
なのに…
「あーあ…」
廊下の壁に背中をつけ、体育座りをして、足に顔をうずめる。
そろそろ2人は付き合うのかな。
文化祭の最後に告白するのかな。
『菫がいなければよかったのに』
邪な感情が頭をよぎる。
いけない、いけない。
私は菫の大親友だから、応援するって決めたでしょ。
だめだよ、そんなこと思っちゃ…
よし、そろそろ帰ろう。
そう思って顔を上げると、成宮 久遠先輩と目が合った。
久遠先輩は蒼馬と同じサッカー部で、蒼馬の応援や練習を見にいった時に仲良くなった。
久遠先輩はしゃがみ、私の顔を覗き込んでいる。
そして、にっこりと笑って、
「やっと気付いたね、鈴々ちゃん。そんなところでうずくまって、どうしたのー?」
と、言う。
「あ、いや、そのぉ。」
私が言い渋っていると、
「ふむふむ、盗み聞きをしていたんだね。鈴々ちゃんはいけない子だったのかな?蒼馬に言っちゃおうかなぁ。」
と、久遠先輩がからかってきた。
「な、何で分かったんですか!」
「ふっふーん。この久遠先輩が知らないことはないんだよ。それより、いいの?そろそろ2人出てきそうだよ。」
「え!ヤバい…流石に盗み聞きしてたことバレるのは…。ど、どうしよう。」
私が焦っていると、久遠先輩はいきなり私の手首を掴み、
「じゃあ、あっちの空き教室に行こっかー。」
と、言いながら私を連れていく。
「わ、分かりました。ありがとうございます。」
久遠先輩の優しさを感じた。