婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
「殿下、少しだけ時間をください。しばらくしたら、すぐにエステルに会わせます。だが今は……」
「あぁ……俺も悪かった。だが、この事実は伝えておくべきだろうと判断した」
「俺は、なんて愚かだったのか……。殿下もこのような愚かな男にはならないように」
ギデオンはもう一度ベルを鳴らし、使用人を呼んだ。そしてセドリックに部屋を案内するように指示を出す。
ここでのセドリックの立場は、ギデオンの友人の息子。だから王太子でもなんでもない。
案内された部屋で荷物の整理なりなんなりしていたら、時間はあっという間に過ぎ、再びギデオンに呼び出された。
「今から貴殿は、俺の客人だ」
まるで人が変わったかのような話し方に、これが本来のギデオンという男なのだろうと察した。いや、目上に対する者、部下への接し方と、きちんと使い分けができる男なのだ。
だが、失敗したと思ったのは、偽名を考えていなかったことだろう。
エステルにセドリックがここにいると知られてはならない。機転を利かせたギデオンが、とっさに「セリオ」という名を口にしたが、できればもう少し格好いい名前にしてほしかった。
「あぁ……俺も悪かった。だが、この事実は伝えておくべきだろうと判断した」
「俺は、なんて愚かだったのか……。殿下もこのような愚かな男にはならないように」
ギデオンはもう一度ベルを鳴らし、使用人を呼んだ。そしてセドリックに部屋を案内するように指示を出す。
ここでのセドリックの立場は、ギデオンの友人の息子。だから王太子でもなんでもない。
案内された部屋で荷物の整理なりなんなりしていたら、時間はあっという間に過ぎ、再びギデオンに呼び出された。
「今から貴殿は、俺の客人だ」
まるで人が変わったかのような話し方に、これが本来のギデオンという男なのだろうと察した。いや、目上に対する者、部下への接し方と、きちんと使い分けができる男なのだ。
だが、失敗したと思ったのは、偽名を考えていなかったことだろう。
エステルにセドリックがここにいると知られてはならない。機転を利かせたギデオンが、とっさに「セリオ」という名を口にしたが、できればもう少し格好いい名前にしてほしかった。