婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
「わかったぁ」
元気な返事をした子どもだが、本当にエステルの話を理解したかどうかはわからない。
彼らと別れた足を、ジャックの家へと向ける。
「エステル様」
また呼び止められる。彼女は外城で花を育てている女性だ。その花を乾燥させポプリにしたり、花びらの砂糖菓子にしたりして売っている。
「あぁ、よかった。最近、お姿を見かけなかったから心配していたんですよ」
それは地下室にこもっていたからだと説明すれば、彼女も安心した表情を見せる。
「ほら。最近、ちょっと見かけない人が外城内をうろついていましてね」
外城は外の者にも開放している。ここがアドコック領の中心的な街だからだ。旅の者がこの場所で必要な物を手に入れるためでもある。
また、特に冬を迎える前は、これ以上先に進まないようにと、彼らを引き留める役目もあった。
「それに……『でんわ』について聞かれた人もいるようで……」
元気な返事をした子どもだが、本当にエステルの話を理解したかどうかはわからない。
彼らと別れた足を、ジャックの家へと向ける。
「エステル様」
また呼び止められる。彼女は外城で花を育てている女性だ。その花を乾燥させポプリにしたり、花びらの砂糖菓子にしたりして売っている。
「あぁ、よかった。最近、お姿を見かけなかったから心配していたんですよ」
それは地下室にこもっていたからだと説明すれば、彼女も安心した表情を見せる。
「ほら。最近、ちょっと見かけない人が外城内をうろついていましてね」
外城は外の者にも開放している。ここがアドコック領の中心的な街だからだ。旅の者がこの場所で必要な物を手に入れるためでもある。
また、特に冬を迎える前は、これ以上先に進まないようにと、彼らを引き留める役目もあった。
「それに……『でんわ』について聞かれた人もいるようで……」