森の運び屋 花園急便─運んだ荷物は毒リンゴ─
俺は花園急便。依頼主がどんな人物であろうとも、荷物を届けなくてはならない。受け取った地図を開くと、一箇所だけ赤い液体で記された場所がある。
「遠いな……」
しかし、届けなければならない。道なき道を進み、草木をかき分けて、依頼された茶色い箱を落とさないようにしながら進んでいく。すると、次第に見慣れた光景が広がってきた。
「ここに繋がっていたのか。だとしたら、この配達先というのは……」
予想通り、地図が示していたのは7人の小人が住む家。いつもは、彼らが仕事に使うノコギリやハンマーを届けている。あの女主人に何か頼んだのだろうか。
俺は玄関のドアを叩いた。いつもはドタバタと足音がして、小人が元気よく扉を開けてくれるのだが、誰も出てこない。
「いないのかな……こんにちは!花園急便です!」
大きな声で呼びかけると、扉が少しだけ開いた。
「花園急便です。あの、お届け物なのですが。」
隙間に向かって恐る恐る呼びかけると、扉が開いて黒い髪に真っ赤なリボンをした、真っ白い肌の女性が出てきた。
「ごめんなさい。今はみんな仕事に出ていて……」
「そうでしたか。では、また後ほど伺います。」
茶色い箱を抱えたままくるりと背を向けると──
「待ってください。私がお預かりします。」
「しかし……」
あの怪し気な依頼主からの荷物を預けてしまっていいのだろうか。
「みんな、すぐ帰ってきます。もう一度来て頂くのは大変ですよね?」
彼女の言う通りだ。依頼人の家も森のはずれにあったが、小人の家も辺鄙な場所にある。
「では、お願いしてもよろしいですか?」
「もちろんです。」
俺は持っていた茶色い箱を渡そうとして手を伸ばした。すると、突然箱が浮き上がった。
「えっ」
箱は勝手にひっくり返り、中に入っていたリンゴが家の前にコロコロと転がった。
「遠いな……」
しかし、届けなければならない。道なき道を進み、草木をかき分けて、依頼された茶色い箱を落とさないようにしながら進んでいく。すると、次第に見慣れた光景が広がってきた。
「ここに繋がっていたのか。だとしたら、この配達先というのは……」
予想通り、地図が示していたのは7人の小人が住む家。いつもは、彼らが仕事に使うノコギリやハンマーを届けている。あの女主人に何か頼んだのだろうか。
俺は玄関のドアを叩いた。いつもはドタバタと足音がして、小人が元気よく扉を開けてくれるのだが、誰も出てこない。
「いないのかな……こんにちは!花園急便です!」
大きな声で呼びかけると、扉が少しだけ開いた。
「花園急便です。あの、お届け物なのですが。」
隙間に向かって恐る恐る呼びかけると、扉が開いて黒い髪に真っ赤なリボンをした、真っ白い肌の女性が出てきた。
「ごめんなさい。今はみんな仕事に出ていて……」
「そうでしたか。では、また後ほど伺います。」
茶色い箱を抱えたままくるりと背を向けると──
「待ってください。私がお預かりします。」
「しかし……」
あの怪し気な依頼主からの荷物を預けてしまっていいのだろうか。
「みんな、すぐ帰ってきます。もう一度来て頂くのは大変ですよね?」
彼女の言う通りだ。依頼人の家も森のはずれにあったが、小人の家も辺鄙な場所にある。
「では、お願いしてもよろしいですか?」
「もちろんです。」
俺は持っていた茶色い箱を渡そうとして手を伸ばした。すると、突然箱が浮き上がった。
「えっ」
箱は勝手にひっくり返り、中に入っていたリンゴが家の前にコロコロと転がった。