初恋のやり直し ~過去に私をふった彼からの猛アタック~
「やっぱり、無理かもしれないな……」
綾音に触れた手のひらを見つめ、何度か拳を握る。
高校を卒業してから、絢斗を通して綾音のことは聞いていた。
大学に入った、無事に大学を卒業した、就職をした――と彼女の話が出るたびに、俺はあの日の綾音の顔を思い出す。そして、淡い初恋の痛みを思い出す。
俺があのとき彼女の手を握っていれば、幸せになれたし、幸せにできたのに、と。
だけど、どれだけ後悔しても遅い。過去には戻れないのだ。
この辛さは一生引きずっていく。そう思っていたのに、綾音が目の前に現れるからびっくりしてしまった。
絢斗からはときどき綾音の話を聞いていたけれど、ここ最近は会う機会もなく、転職したことは知らなかった。
それに人事情報は、入社予定の者が入ってくるまでは上層部の人間にしか知らされず、一般社員にはその日まで降りてこない。
女性社員が後輩として下につくことは聞かされていたけれど、詳しいプロフィールまでは知らなかった。
だから、不意打ちを食らってしまって、感情のコントロールができそうにない。
おまけに、つい癖で彼女に触れてしまったせいか、またあのときの気持ちが戻ってきてしまった。
「今度は諦めきれないかもな……」
参ったな、と頭をかきむしり、隣のデスクを見つめる。
ここ数日はお互いに気まずさもあって積極的に話しかけることはなかったけれど、明日から二人で仕事をすることになる。
いまから平静をよそえる気がしなくて、俺は溜め息をついた。
綾音に触れた手のひらを見つめ、何度か拳を握る。
高校を卒業してから、絢斗を通して綾音のことは聞いていた。
大学に入った、無事に大学を卒業した、就職をした――と彼女の話が出るたびに、俺はあの日の綾音の顔を思い出す。そして、淡い初恋の痛みを思い出す。
俺があのとき彼女の手を握っていれば、幸せになれたし、幸せにできたのに、と。
だけど、どれだけ後悔しても遅い。過去には戻れないのだ。
この辛さは一生引きずっていく。そう思っていたのに、綾音が目の前に現れるからびっくりしてしまった。
絢斗からはときどき綾音の話を聞いていたけれど、ここ最近は会う機会もなく、転職したことは知らなかった。
それに人事情報は、入社予定の者が入ってくるまでは上層部の人間にしか知らされず、一般社員にはその日まで降りてこない。
女性社員が後輩として下につくことは聞かされていたけれど、詳しいプロフィールまでは知らなかった。
だから、不意打ちを食らってしまって、感情のコントロールができそうにない。
おまけに、つい癖で彼女に触れてしまったせいか、またあのときの気持ちが戻ってきてしまった。
「今度は諦めきれないかもな……」
参ったな、と頭をかきむしり、隣のデスクを見つめる。
ここ数日はお互いに気まずさもあって積極的に話しかけることはなかったけれど、明日から二人で仕事をすることになる。
いまから平静をよそえる気がしなくて、俺は溜め息をついた。