初恋のやり直し ~過去に私をふった彼からの猛アタック~
「今回は本当にありがとうございます。仲真さんの手を借りなければ、ここまでの結果は残せませんでした」
「そう改まるなって。俺よりも綾音の方が頑張ってたよ。俺は手助けしただけだし」
「それでも本当にありがとうございます」

 感謝してもしきれない旨を何度も伝えて頭を下げる。
 蒼士くんは謙遜しているのか、本当に気にしなくていいからと言ってくれた。

「でも……」
「じゃあ、そんなに言うならさ。お疲れ様会として二人で飲みに行かないか?」
「へ……?」

 蒼士くんからのまさかのお誘いに、腑抜けた声を出してしまう。

 蒼士くんとの距離は確かに縮まったし、仕事を手助けしてくれた恩は感じている。
 だけど、過去のことがなくなったわけではないのだ。
 彼は初恋の相手で、私をふっていて。
 トラウマとも呼べるような心の傷も、気まずさも、すべて消えたわけではない。
 飲みにいくということは、職場で顔を合わせるのとはわけが違う。プライベートで、それも二人きりで会うのはハードルが高かった。

< 31 / 55 >

この作品をシェア

pagetop