初夜に暗殺された王女は魔獣の国で再起する~魔獣の国の王の求愛がとまりません
「大神殿でディアン様がさらわれるのを見た大神官と神官三名、そして近衛兵九名については他言無用の誓約魔術を使いましたので、問題ないでしょう」

ギルティが言う。

「わかった。ギルティに聞きたい。大神官への予言についてはどうなった?」

「はい。早朝から大神官のもとへ飛び、予言を行ってもらいました。『聖王がここキルギアの地にてこの十年の間に生まれるであろう。あの空の聖王紋はその予兆である』と。そのせいか町中ではその噂でもちきりです。そのうち新聞記者や商人たちから他国へも伝わるでしょう」

「よし」

「聖王になられたことを内緒にするということですか?」

シェリアが質問する。

「ああ。魔王がどうでるかを確認したい。魔王は今世界のどこかにいるのか、そもそもいったいどういうものかすらわからない。人なのか動物の形をしている何者かなのか? だから聖王が産まれると予言したら魔王が動くと思うのだ」

そうするとデュランダルが聖王とは誰も思わないし、魔王が今どこかにいれば焦ってキルギアにアクセスしてくるだろう。それを狙っているのね。

「ただ、何度も言うが、俺は俺だ。何も変わらない。だからいつも通りに過ごす」

「はい」

「では以上だ。みな魔王について何かあればすぐに情報を共有するように」
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