初夜に暗殺された王女は魔獣の国で再起する~魔獣の国の王の求愛がとまりません
「そうですね。知らなかった。自分がお酒を飲めるなんて」

「そうなのか?」

「はい。オルベリアではそんな暇がなかったのです。国を立て直すのに必死でしたから」

「君がやり遂げたのだろう? オルベリアの再建を。見ていればわかる」

「はい。ですから仕事に関しては自信があります。小さいころから勉強だけは怠りませんでした」

こんなに自分のことを話すのは初めてだ。
酔っぱらっているのだろうか?
けれど、たぶん試したかったのだ。
こんな境遇を知ってもわたしを好きといってくれるのかどうかを…。

「わたしは妾腹の王女で、母は物心ついたときにはもうおりませんでした。追放されてそのあと亡くなったそうです。小さいころから母にそっくりな容姿をけなされて育ちました。髪色は光りすぎて目がちかちかする。胸は大きすぎて気持ち悪い。だからがんばったんです。勉強を。学ぶことはずっと好きでしたから。けれど、父は…わたしががんばっても当たり前のように扱って、一度もほめてもくれなかった。そして兄の補佐にちょうどよいといい、兄の補佐をやらされて後で考えてみれば利用されていただけでした。婚約者は公爵家の次男でした。小さいころからよく一緒に遊んでいました。けれど、それもにせものの関係でした。彼は妹のアリアを好きだったんです。わたしが邪魔だった。だから同じように邪魔だった兄と共謀しオルベリアから追いやり婚礼の夜に殺した」

自嘲の笑みが漏れる。

「こんな誰にも愛されたことのないわたしです。だから陛下が好きになってくださるような女ではないのです」
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