初夜に暗殺された王女は魔獣の国で再起する~魔獣の国の王の求愛がとまりません
「これはうれしい話だ。なぜ言ってくれなかった? 言ってくれればこの兄が直接迎えにきたものを」

シェリアは魔王に侵されてしまった兄を見た。
表情はゆがみ、顔は土気色だ。
魂を魔王に支配されているのにシェリアのことは自分の妹だとはわかっているようだ。

「そなたがいなくなってオルベリアには花がなくなってしまった。そなたを嫁にやるのではなかったと後悔していたところだ。オルベリアにはそなたのような美しい花が必要だ。ちょうどよかった。オルベリアに帰ろう」

魔王に魂を支配されても基本的な性格は変わらないのだなとシェリアは思った。
きれいごとを並べているが、要はもどってオルベリアの財政を建て直せと言いたいのだ。

「オルベリアの王はあなたです。あなたが考えて国を治めるべきでは? 楽をすることばかりの浅はかな考えでは国は統治できませんでしょう?」

シェリアはにこっと笑った。

「もしかしてお兄様はわたしに戻ってもう一度あなたのかわりに国政を動かせと? そういいたいのですか?」

ざわっと会場がざわめいた。
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