初夜に暗殺された王女は魔獣の国で再起する~魔獣の国の王の求愛がとまりません
と……

兄のまぶたがぴくっと動くと、ゆっくりと瞼が開いていった。
気が付いたのだ。
開いた瞳の色が青かったのでシェリアはほっとした。

ゆっくりとシェリアのほうへと向き直る。

「シェリア」

声がかすれていた。

「お兄様。魔王は死にました」

少し目を見開いて、そして天井や部屋のまわりを見まわしたゼノアはふーっと息を大きくはいた。

「俺は生きているのか?」

「はい。生きなければならないでしょう?」

「え?」

気が付いてすぐに申し訳ないとは思ったが、責任感を持ってもらわなければならない。

「オルベリア王国を再建できるのはあなたしかいません」

「そ、そんなことは……俺は……」

「あなたがオルベリアをこんなにしてしまったんです。アリアが発端かもしれませんが、それを受け入れたのはあなたです。あなたが……」

泣いて涙で何も見えなくなってきた。
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