初夜に暗殺された王女は魔獣の国で再起する~魔獣の国の王の求愛がとまりません
だが、兄を見て、兄も泣きだしていることがわかった。

「無理だったんだ。俺には。お前より劣っている俺には。ずっと言われ続けてきたんだ。お前はどうしてシェリアに勝てないんだと。そして母はいつも俺とアリアを殴打しつづけた」

「それは、わたしも知らなかったけれど……けれど、それでもあなたは王ですよ。王なのに……」

「シェリア。ごめん。俺には……」

「ダメ。それ以上言っちゃ」

ゼノアは無理だと言おうとした。だけとシェリアは言わせなかった。
大きな声で言うとゼノアが黙った。

「ゼノアお兄様。あなたにはできるはずです。オルベリアを再建することが」

「なぜだ。こんな俺に何ができる? オルベリアをこんなにしてしまった俺に」

「なぜか? そうですね。なぜなら、お兄様。あなたはオルベリア王国を愛しているからです」

ゼノアの瞳が大きく見開いた。

「誰よりも愛しています。だからあなたはこの国の国王になろうとしたんです。もう父と義母が死んだあの時点で放棄することもできた。帝国に取り込まれてもよかったんです。だけどそれをしなかったのはオルベリア王国を、民を愛しているからでしょう?」

「シェリア……俺は……」

「できます。なぜならわたしたちもお兄様を助けますから」

「え?」
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