初夜に暗殺された王女は魔獣の国で再起する~魔獣の国の王の求愛がとまりません
「民はこうやって手をつなぐんだ。腕をつかむと貴族とばれるだろう。民は民らしく振舞うんだ」

「そ、そうですか」

ドキドキドキドキドキ
素手だ。
貴族は手袋をはめて、しかも腕をつかむようにしてエスコートされるものだ。
だが、平民はそうではなく、手と手をじかに握り合うらしい。
信じられないが事実のようだ。

こんなの無理だわ。
手のひらからデュランダルの体温を感じてドキドキと心臓が音をたてている。
ごつごつしているのは豆だろう。剣をふるっているから……。

どうしようかと焦っていたら、デュランダルがこっちを振り向いた。

「どうした?おいしいものをごちそうしてやる」

「え? おいしいものですか?」

「ああ。こっちだ」

さらに強くぎゅっと握られて歩いていくと屋台がたくさん並んでいる道に出た。
ちょうど昼ごはん時なので人が並んでいる屋台もある。
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