涙のあとに咲く約束
「あ、ばあば!」
 
 元気いっぱいの声とともに、真一くんが彼女の足に飛びつく。
 
「真一、久しぶりね。また背が伸びたんじゃない?」

 祖母と孫の会話に、私は微笑ましく思えた。

「うん、ぼく、おおきくなったよ!」

「今日はお土産もあるわよ、これ、晩ごはんの後に食べましょう?」

 藤堂さんのお母さんはそう言うと、手に持っていた紙袋を見せた。どうやらそこには菓子折りが入っているようだ。

 紙袋の外側に印刷されているお店のロゴを見て、真一くんは目を輝かせる。
 どうやら真一くんの大好きなお店のお菓子のようだ。

「やったー! ばあば、ありがとう。けんじにいちゃんはいま、かいものにいってるんだ」

 真一くんはそう言って私たちを玄関の中に引き入れると、藤堂さんのお母さんに私を家に上がるよう促された。

 私の姿を確認した真一くんが「あ、おねえちゃん、いらっしゃい!」と歓迎してくれたので、私も「真一くん、こんにちは」とあいさつを交わした。
 
 藤堂さんのお母さんは、私を客間に案内し、お茶を出してくれた。

「可愛いお孫さんですね」

 私が話を振ると、藤堂さんのお母さんは麦茶の入ったグラスを前に、静かに語り始めた。
 
「真一のこと、息子から聞いてるかしら? ーーあの子は、兄夫婦の子なのよ」

 そう言って、客間に飾られている一枚の写真を手に取った。
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