涙のあとに咲く約束
そこには藤堂さんによく似た男性と、おそらく真一くんだろうと思われる赤ちゃんを抱いて笑顔を見せる女性が写っている。
「真一は、ここに写っている浩一と由香さんとの間に生まれた子で、賢二はあの子の叔父にあたるの」
真一くんの生い立ちについて、藤堂さんのお母さんが口にする。
その言葉に、それまで抱いていた違和感の原因がこれだと確信した。
真一くんとはまだ数回しか顔を合わせたことがないけれど、藤堂さんのことを「パパ」や「おとうさん」と呼んだことが一度もなかったのだ。
さっきも藤堂さんのことを「けんじにいちゃん」と呼んでいた。
家庭内のことだからと私は余計な口を挟まないほうがいいと思って黙っていたけれど、どうやら正解だったようだ。
ようやく藤堂さんの家庭の事情を知り納得した私は、藤堂さんのお母さんの言葉に頷いた。
「真一の両親は二年前、事故で……」
言葉が一瞬途切れた。私は自然と背筋を伸ばす。
「その日、由香さんが妊婦健診で病院へ行くのに、浩一が付き添いで出掛けていて。賢二が保育所へ迎えに行くはずだったの。でも仕事が長引いて行けなくなってね。それで診察を終えた二人が迎えに行く途中で、信号無視の車に……」
そこから先は聞かなくてもわかった。胸の奥がぎゅっと締めつけられる。
「真一は、ここに写っている浩一と由香さんとの間に生まれた子で、賢二はあの子の叔父にあたるの」
真一くんの生い立ちについて、藤堂さんのお母さんが口にする。
その言葉に、それまで抱いていた違和感の原因がこれだと確信した。
真一くんとはまだ数回しか顔を合わせたことがないけれど、藤堂さんのことを「パパ」や「おとうさん」と呼んだことが一度もなかったのだ。
さっきも藤堂さんのことを「けんじにいちゃん」と呼んでいた。
家庭内のことだからと私は余計な口を挟まないほうがいいと思って黙っていたけれど、どうやら正解だったようだ。
ようやく藤堂さんの家庭の事情を知り納得した私は、藤堂さんのお母さんの言葉に頷いた。
「真一の両親は二年前、事故で……」
言葉が一瞬途切れた。私は自然と背筋を伸ばす。
「その日、由香さんが妊婦健診で病院へ行くのに、浩一が付き添いで出掛けていて。賢二が保育所へ迎えに行くはずだったの。でも仕事が長引いて行けなくなってね。それで診察を終えた二人が迎えに行く途中で、信号無視の車に……」
そこから先は聞かなくてもわかった。胸の奥がぎゅっと締めつけられる。