交際0日婚、冷徹ホテル王はかりそめ妻を溺愛で堕とす
スッとナイフで魚を切ってフォークでそれを口に運ぶ、彼の所作を見ているとひとつひとつが上品かつ綺麗で、育ちの良さがうかがえる。

こうして高城さんの顔をじっくり見るのも初めてかもしれない。

結婚して二週間はあっという間だった。その間、高城さんは遠方への出張で家を空けることが数回、考えてみれば彼と一緒に食事をまともにとったことがなかった。

もっと彼のことが知りたい。もっと一緒にいたいな……。

彼のどこがいいのか、と聞かれたら言い表すのが難しい。けれど、私は高城さんとあの夜のパーティーで出会ってから、ずっと心惹かれているのがわかる。

「食事の手が進んでないな、どうかしたのか?」

「え、あ……」

結婚してからの日々を思い返してみたり、木谷さんとのことをどうしようか考えていたりしていたらメインに半分ほど手を付けたところで止まってしまっていた。心配そうに私を見つめる高城さんを見ると、彼はもうすでに食べ終わって行儀よくナイフとフォークがお皿の上に揃えてあった。

「こんな素敵な雰囲気のお店、初めてで緊張してしまって、あっ」

慌ててフォークとナイフを手にしようと思ったら、手が滑ってフォークを落としてしまった。

あ~もう、何してるんだろ私。
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