仏の顔も三度までですわ!愛人と夫のツケ、すべて返していただきます
「シェリーナとはそろそろ子どもがほしいと話していたところなんだ。近いうちに君は外に出られなくなるだろう」

考え込んで黙ってしまった私に構わずデルバートは話し続ける。

「もちろん、君に不便な思いをさせるつもりはない。シェリーナの妊娠中、君が過ごす別邸はすでに用意している。使用人も充分に配置するし、必要な物があれば用意するように伝える。
君はひとり優雅に暮らしてくれればそれでいい」

この人、一応私に酷い仕打ちを強いることは自覚しているのかもしれない。
私が不満を爆発させないよう警戒しているのかな。

「子育ての心配もいらない。出産後はシェリーナが乳母として実子を育てる予定だ。産後の君は公爵夫人として勤めてくれるだけで問題ない」

「そう…ですか…」

そこまで話が決まっていることに少し驚く。
というか、そのシェリーナという恋人は、我が子なのに血のつながりを認められないことに不満はないのかな?
政略結婚とはいえ、別の女性の子どもとして扱われるのは嫌じゃないの?
でも、その疑問は飲み込んだ。これはデルバートとシェリーナの問題で、私が口出しすることじゃない。

「他に質問は?」

「いえ、とくには…」

「そうか。では俺はシェリーナの部屋に行くから、君はゆっくり休みたまえ。結婚式と披露パーティーで1日中挨拶周りをして疲れただろう」

「お気遣いありがとうございます。では、おやすみなさいませ」

私は恭しくお辞儀をした。
デルバートはなぜか私を少し見つめてから、何も言わずに寝室を後にした。
ドアが完全に閉まり、しばらくしてから私はベッドに腰を下ろす。
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