歴代最強のオヒメサマ
自覚
あれから翔真の顔を見ないように避けるわたしに、翔真は怒りを募らせていた。
……わかってる。わたしが、悪いことは。
だけどどうしても、翔真と顔を合わせたら普通ではいられない気がした。
「───スイちゃん?」
翔真の隣を歩く綺麗な女の人。
髪も長くて、胸も大きくて、美人な人。
……わたしとはぜんぜん違う。
隣を歩いていた千佳がわたしの視線を追って翔真に気付くと、はっと息を呑む。
「まさか!翔真に限って浮気とかないよ!?」
「浮気じゃない」
「そう!そうだよ!!」
「……違う。わたしと翔真は付き合ってないから」
だからあの女の人と付き合ってたとしてもわたしはなにも言えない。