歴代最強のオヒメサマ

【理人side】

「………んぶふっ!ふふ、」


思わず吹き出した俺を冷たい目で見てくる元水月の六代目のやつら。


「なにそんな笑ってんだ?」
「水月に姫ができたらしい」
「は?」
「翡翠にか?」


俺の言葉にあからさまに動揺するこいつらに、笑いすぎて涙のたまった目尻を擦りながら頷く。


「聞いて驚きなよ。なんと歴代最強だから」
「は……?」
「いやいや、あの翡翠より強い女がいるわけねえって」


まあ、そうなんだけど。



「名前はね、



───西岡翔真だって」


ぽかん、と口を開いていた彼らもだんだん意味を理解して吹き出すように笑い転げた。


「翡翠が言いふらしてるらしいよ」
「ぶはははっ!アイツならやりそう…!」
「っはー!これだから俺らの天然姫は!」

「翔真……お気の毒に…」



「───ってなわけで。祝いにいかねえとな?」



歴代最強のオヒメサマにも会わないと行けないしね。



【理人side END】
< 142 / 160 >

この作品をシェア

pagetop