背筋を伸ばして恋をする。
「俺のこと、蓮くんって呼んでいいですよ」
「桐生くんかな」
「ええ」
「桐生くんで」
「まあいいです。そのうち呼んでもらいます」
それからしばらくお互いの当たり障りのないことを話したりしているうちに乗り換えの駅に着いた。
「じゃまた、明日も同じ時間に待ってます」
「わ、わかった」
なんだか真正面から見れなくて、扉の方に視線を移して足早に電車を降りた。
今日の会話でわかったことは、桐生くんは社会人2年目でシステムエンジニアとして働いているということ。本人曰く「めっちゃ仕事ができる」らしい。
あと、4月生まれの24歳と言ってた。私はまだ27歳だけど今年の誕生日が来たら28歳になるから、学年で言えば4つ違うことになる。