背筋を伸ばして恋をする。
「これ言ったらまたストーカーとかなんとか言うと思ったから、黙ってたんですよ」
「うん、それは賢明な判断かな…」
この話を先に聞いていたら、断ってただろうな。
「すみません。無理強いしたい訳じゃないんですけど、せっかく話せるようになったのに、急にいなくなっちゃうのは嫌だなと思って」
この1週間の他愛もない会話と、しゅんと尻尾を垂れ下げている姿を思うと、悪意は感じられないんだよなあ。
「今度から何も言わずに避けたりはしない。嫌な時はちゃんと伝えるようにする。だからこんなに早く来ないで大丈夫。朝はゆっくり寝てきてよ」
「わかりました!」
目を輝かせている。わかりやすい子だなあ。