帝の唯一の女〜巫女は更衣となり、愛に囚われる〜
「……美琴。」
名前を呼ばれた瞬間、逃げられないと悟った。
いけない。この瞳を見てはいけない。
そう思いながら目を閉じた時——唇が、そっと重なった。
「……暁宮様。」
名を呼ぶと、その腕がいっそう強く私を抱きしめた。
その抱擁に、もう抗う力は残っていなかった。
思ひきや
遠しと思ふ 初恋の
君のまなざし かくも近けむ
(思ってもみなかった。遠くにあるはずの初恋が、こんなにも近くで私を見つめているとは)
私は、暁宮様の瞳を見据えた。
近くとも
手には取られぬ 花のごと
香のみわたし 遠き初恋
(近くにあるようで、手に取ることはできない花のよう。香りだけが届く、遠い初恋です)
そう。私の初恋は。
こんなにも近くにあるのに、遠すぎて思いは叶わないのだ。
名前を呼ばれた瞬間、逃げられないと悟った。
いけない。この瞳を見てはいけない。
そう思いながら目を閉じた時——唇が、そっと重なった。
「……暁宮様。」
名を呼ぶと、その腕がいっそう強く私を抱きしめた。
その抱擁に、もう抗う力は残っていなかった。
思ひきや
遠しと思ふ 初恋の
君のまなざし かくも近けむ
(思ってもみなかった。遠くにあるはずの初恋が、こんなにも近くで私を見つめているとは)
私は、暁宮様の瞳を見据えた。
近くとも
手には取られぬ 花のごと
香のみわたし 遠き初恋
(近くにあるようで、手に取ることはできない花のよう。香りだけが届く、遠い初恋です)
そう。私の初恋は。
こんなにも近くにあるのに、遠すぎて思いは叶わないのだ。