帝の唯一の女〜巫女は更衣となり、愛に囚われる〜
そして成人の儀を三日後に控えた日のことだった。

外祖父である藤原国光様と、侍女の葛城が私のもとを訪れた。

「美琴、今度の成人の儀なのだが——」

「はい。」

私はすでに、巫女の一人として参列することが決まっていた。

藤原様は一瞬、言葉を探すように私を見つめ、やがて低く告げた。

「暁宮様は成人の儀で、その……初めて女を知ることになる。」

瞬間、胸の奥に鋭いものが突き刺さった。

女を——抱く? あの方が?

脳裏に、私を抱き寄せたあの日の温もりが蘇る。

それが別の女に向けられるのかと思うと、喉の奥がきゅっと締めつけられた。

「……儀式です。宮様にとって大切な通過の一つ。」

葛城の声は淡々としていたが、私の耳には遠く響くばかりだった。

唇を噛み、必死に心を落ち着けようとする。

私はただの巫女。決して触れてはならぬと誓った人。

——なのに、どうしてこんなに胸が苦しいのだろう。
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