諦めていた恋の続きを始めます
長男が病気に倒れたから、すぐに次男を結婚させようとするものなのだろうか。
大石家ののんびりとした環境で育ったまどかには、周防家の価値観は理解できそうにない。
「おまけに沙織はなんとしてでも周防家に居座るつもりだ。俺の子を産みたいとまで言ってきた」
「えっと……?」
意味がわかるまでに、少し時間がかかってしまった。
兄の妻が病気の夫ではなく、弟との間に子ども持とうとする。
兄から弟に乗り換える? それとも托卵? もうまどかの頭はごちゃごちゃだ。
「私には、さっぱりわかりません」
沙織がどうやって子供を作る気だったのか考えると、まどかは恐ろしくなってきた。
沙織は夫の精子だと偽って人工授精するつもりなのか、それとも悠真自身を求めているのだろうか。
男女の営みだとしたら、義理の弟に関係を求めたことになる。
しかもふたりはかつて恋人だったと思うと、もうまどかの想像を超えている。
「ありえない」
ポロリと本音がこぼれた。