歪みきって愛と呼ぶ
ストーカー

あのひとには
二度と逢えない。

だってあのひとは
灰に成ったのだから。

亡くなった事は
当時付き合ってたTから
知らされた。

Tとあのひとには
共通の知人がいたから。

日にちは憶えてない。

でもたしか、19時頃に
Tから電話がきたんだったと想う。

其してきっとあたしは
何時も通り間抜けな声で
電話に出たんだと想う。

Tがなんて言ったのか
憶えてない。

亡くなった事を知らされ
あたしは涙をボロボロ流しながら

『嘘だ…!!』

其う言って、

『嘘だよ。』

って言ってもらいたかったのに、
何故か直ぐにあのひとが亡くなった事は事実なのだと受け入れた。

でもひたすら、
『嘘だ!』
と繰り返し言った。

あたしは
お通夜にもお葬式にも
行けなかった。

何故なら
あたしはあたしの18歳の誕生日に
あのひとと最後のデートをして、
サヨナラした筈なのに

あのひとに
何十回
何百回と
メールや電話をして

実家にまで電話して

あのひとと付き合っていた頃、あたしを良く想っていてくださった、あのひとのお母さんに嫌われたから。
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