ホームラン王子と過ぎ去った青春をもう一度
「やっぱり、俺じゃ駄目?」
――こんなに私を好きになってくれる人なんて、もう二度と現れない。
彼と結婚すれば両親から「早く結婚しなさい」とせっつかれる必要もなくなるし、たくさんの愛を注ぎ込んでもらえるはずだ。
手を伸ばせば掴めるほどすぐ目前に、幸せになれる道が迫っている。
なのに――私はすぐには、その気持ちを受け入れられなかった。
「違うの……」
「何が?」
「小出くんは、何も悪くない……」
「ゆっくりでいいから、俺に教えて?」
彼が元有名人でなければ、輝かしい功績を持たぬ一般人で、ただの野球少年だったら――そんなふうに考える自分が、嫌で仕方がない。
優しい声とともにこちらを覗き込んでくる小出くんと目を合わせないように下を向きながら、私はゆっくりと言葉を吐き出した。
「私があの時、あなたを好きになれなかったから……」
「そりゃ、無理もないだろ。あれは、タイミングがよくなかった」
どうして小出くんは、仕方ないことだと受け入れてくれるのだろう?
私は彼に、酷いことをしたのに――。
それが不思議で堪らなくて、同級生の顔色を窺うように顔を上げる。
――こんなに私を好きになってくれる人なんて、もう二度と現れない。
彼と結婚すれば両親から「早く結婚しなさい」とせっつかれる必要もなくなるし、たくさんの愛を注ぎ込んでもらえるはずだ。
手を伸ばせば掴めるほどすぐ目前に、幸せになれる道が迫っている。
なのに――私はすぐには、その気持ちを受け入れられなかった。
「違うの……」
「何が?」
「小出くんは、何も悪くない……」
「ゆっくりでいいから、俺に教えて?」
彼が元有名人でなければ、輝かしい功績を持たぬ一般人で、ただの野球少年だったら――そんなふうに考える自分が、嫌で仕方がない。
優しい声とともにこちらを覗き込んでくる小出くんと目を合わせないように下を向きながら、私はゆっくりと言葉を吐き出した。
「私があの時、あなたを好きになれなかったから……」
「そりゃ、無理もないだろ。あれは、タイミングがよくなかった」
どうして小出くんは、仕方ないことだと受け入れてくれるのだろう?
私は彼に、酷いことをしたのに――。
それが不思議で堪らなくて、同級生の顔色を窺うように顔を上げる。