あやかしと魔王の側近
「ギルベルトさんの屋敷の方からだわ!」

イヅナが走り出し、ルーチェたちもそれに続く。声のした方に到着した時、イヅナたちは足を止めた。そこには、ゼリーのような体をした得体の知れない生き物たちが暴れ回っていた。

「きゃあッ!」

一人の使用人が逃げる途中、転んでしまう。生き物が使用人に近付いていく。

「危ない!」

イヅナが叫んだ瞬間、生き物の体が切り刻まれる。ギルベルトが剣を振り下ろしていた。彼は息を吐き、使用人に背を向けたまま「早く逃げて」と言った。バラバラに切られたはずの生き物は、すでに体を再生させていた。

「すごい再生力!ていうか、あれって妖なのか?」

戦鎌を構えながらレオナードが言う。ツヤがすぐに首を横に振った。

「いや。あれは妖じゃねぇ。妖特有の気配じゃない」

「妖じゃないなら、あれは何なんでしょう?」

イヅナの問いに答えたのは、ツヤでもヴィンセントでもなくルーチェだった。

「あれはモンスターです。僕がいた世界にいました」
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