お兄ちゃん、すきだよ。
財布、定期入れ、名刺入れ、ペンケース、ブックカバー…。
ショーケースの中に並んでいるものを見る。
すると、私の目に真っ先にとまったものがあった。
「あ…これ!これ下さい!」
私は何も考えず口走っていた。
「かしこまりました。このキーケースですね?」
「はい!お願いします!」
優柔不断な私が何の迷いもなく選んだもの。
それはキーケースだった。
程よくくすんだ茶色い革に、しんちゅうの鍵のモチーフが付いている。
シンプルだけど、とても格好いい。
今朝、怜くんがたくさんの鍵を落としていったことも思い出し、すぐに決まった。
これだ。
怜くんにぴったりのプレゼント。
私は素敵なプレゼントが見つかったことにとても満足した。
「幸せですね、こんな妹から慕われているお兄さんは。」
レジまで案内してくれた店員さんがそう言う。
私は素直に嬉しかった。