お兄ちゃん、すきだよ。


財布、定期入れ、名刺入れ、ペンケース、ブックカバー…。



ショーケースの中に並んでいるものを見る。



すると、私の目に真っ先にとまったものがあった。




「あ…これ!これ下さい!」



私は何も考えず口走っていた。




「かしこまりました。このキーケースですね?」



「はい!お願いします!」




優柔不断な私が何の迷いもなく選んだもの。



それはキーケースだった。


程よくくすんだ茶色い革に、しんちゅうの鍵のモチーフが付いている。


シンプルだけど、とても格好いい。



今朝、怜くんがたくさんの鍵を落としていったことも思い出し、すぐに決まった。



これだ。

怜くんにぴったりのプレゼント。




私は素敵なプレゼントが見つかったことにとても満足した。





「幸せですね、こんな妹から慕われているお兄さんは。」



レジまで案内してくれた店員さんがそう言う。


私は素直に嬉しかった。


< 186 / 195 >

この作品をシェア

pagetop