お兄ちゃん、すきだよ。



教室に戻り、私はまたお化けの役をこなす。



何もなかったかのように。

泣いていたのがバレないように。





夕方になり、1日目の文化祭が終わると、私はすぐに教室を出て下校した。



もちろん優や颯太と顔を合わせることなく。






帰り道にある夕方の坂道は、夕日に照らされあかね色に染まっていた。



きれいな夕日が、落ち込んだ私の心をさらに切なくさせる。




うつむいて足元ばかり見ながら下る坂道。

少しもきれいじゃない。







ドンッ






本当に下ばかり見ていたので、誰かにぶつかってしまった。





「す、すみません!」


うつむいたまま謝る。


「痛いなぁ、もう。」





え?

この声…。



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