Devil's Night
 
「ごめん、ハル。でも、これで大丈夫だから」


陽人がうるんだ目をしてうなずく。


「美月。あれは隣の飼い猫だから、大丈夫よ」


母が陽人の手にばんそうこうを貼りながら言った。


「そう……」


――灰色の猫なんてどこにでもいるのに。


神経質になりすぎている自分を反省した。


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