Devil's Night
 
 カイの目がまっすぐに私を見た。


「あの時、僕は今の美月を選んだんだ」


「私にはあなたとの記憶もないし、リアとは別の人間だとわかっているのに?」


「全く別人というわけじゃないよ。リアの魂が愛情に恵まれた環境で育っただけのことだ。まだ美月の中にリアは眠ってる」


 ゾッとした。


「私は……あなたを愛することは出来ない」


「だから、愛せるようにしてあげるよ、今度こそ」


 斬りつけてくるような瞳に足が震えた。


「誰が本当にお前にふさわしい相手なのか、今にわかる」

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