Devil's Night
 
――ブルー。お願い。ミカンを殺さないで……。


 心の中でそう繰り返しながら、通りへ出た。


 道端に、1枚、また1枚。まるで道しるべのように、アスファルトの上に落ちているオレンジ色の羽。それを見つけるたびに、胸が締め付けられ、涙がこぼれた。


「ミカン……」


 怖がりだったミカンのことを思い、泣きながら、羽を拾って歩いた。


 気がつくと、ゴーストアパートの前まで来ている。


 崩れた壁の間から、カイの背中が見えたので、私は迷わず中に入った。


「カイ! ブルーが……」
と、言いかけて、カイの足元に目を奪われる。


 無残に引きちぎられたたくさんの羽。オレンジの羽についた血……。


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